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【秩父鉄道株式会社】

SL列車やハイキングで思い出づくり
【秩父鉄道株式会社】

[2014年3月19日]

 秩父鉄道(株)は羽生から三峰口を運行する、主に埼玉県の代表的な観光地である長瀞や秩父にお客様を運んでいる歴史ある会社です。(明治32年設立)

 普通電車、急行電車のほかに、土、日、祝日を中心に全国でも珍しい蒸気機関車「SLパレオエクスプレス」も走っています。

 鉄道事業をはじめ、観光事業も行っている同社はおもてなしの取組にも力を入れており、2013年11月に第1回埼玉県おもてなし大賞の特別賞を受賞しました。

今回は、企画部の小林和世さんと酒井明子さんに、おもてなしの取組等についてお話を伺いました。

 

企画部の小林和世さん(左)と酒井明子さん(右)とSLパレオエクスプレスのオリジナルキャラクター「パレオくん」と「パレナちゃん」

企画部の小林和世さん(左)と酒井明子さん(右)と
SLパレオエクスプレスのオリジナルキャラクター
「パレオくん」と「パレナちゃん」

 秩父鉄道といえばSLが有名ですが、SLでのおもてなしの取組について教えてください。

 SLは、熊谷駅から三峰口駅までの56.8キロを、田園風景、荒川、秩父の山々など、広大な自然の中を約2時間40分かけてのんびりと運行しています。

SLでは、2年ほど前から、秩父に縁のある落語家・林家たい平さんの音声による車内放送で、お客様が見る景色に合わせた御案内を行っています。得意の打ち上げ花火の口真似を交えて秩父夜祭りの御案内をするなど、沿線の見所を軽妙に御紹介し、車内を盛り上げています。

また、停車時間を利用して駅のホームなどで乗務員が記念撮影にも応じています。その際、乗務員の帽子をお客様にかぶってもらって撮影することがありますが、非常に好評です。

さらに車内においては、季節ごとに、例えばこどもの日にこいのぼりの飾り付けをしたり、梅雨時期にてるてる坊主の飾り付けをしたり、ちょっとした工夫をしてお客様に喜んでいただいています。

 

 SLでのおもてなしに関するエピソードなどについて教えてください。

 現在、自社養成の機関士(SLの運転士)が5人います。

普通電車の運転士を長く務めた後、SLの機関士となった社員に話を聞いたのですが、初めてSL運転をした際に、沿線のみなさんが、SL列車に向かって手を振ってくれてとても嬉しかったそうです。SLに乗車してくださる方だけでなく、見物される方も多いので、普通電車の乗務とは景色が全く違うと言っていました。お客様と触れ合う機会が増えることにより、乗務員の意識も変わり、おもてなし力も向上していくと思います。実際にSLに乗車していただいた方へのアンケート調査では、「また乗車したい。家族や友達にSLをおすすめしたい」との御回答もいただいております。SLとおもてなしでリピーターの方をさらに増やしていきたいです。

 

 様々なイベントを企画しておもてなしをしているそうですが、取組内容を教えてください。

 秩父鉄道では沿線の丘陵地を巡るハイキングをほぼ毎週、回数にすると年間70回ほど企画しています。

リピーターが多く、年間二万人近いお客様に御参加いただいています。多いときは一度に千人もの方が参加されることもあり、非常に好評をいただいています。

コースは初心者向け、健脚向けなど、様々なお客様に対応しており、実施に際しては、スタッフが事前にコースを歩いてわかりにくい箇所には目印を付けるなど、安全に歩けるコース作りを行っています。また、ゴールでは完歩バッジを差し上げたり、地元町や観光協会と連携し、湯茶のサービスでおもてなしをするなどして、参加者に喜ばれています。

当日は社員が一緒に歩きながらハイキングの内容についての御要望をお聞きするなど、お客様とのコミュニケーションづくりに努めています。

 

 長瀞観光にも力を入れているそうですが、具体的な取組を教えてください。

 長瀞駅は観光の中心なので、長瀞観光にも深く携わっています。

長瀞へ観光客を呼び込むために、秩父鉄道のホームページ上で「ながとろ便り」というサイトを作り、長瀞の観光に関する情報発信を行っています。

また、長瀞駅から宝登山神社への道のりは徒歩15分ほどですが、上り坂なので、苦労して歩いているお客様も見受けられます。そこで、お客様からの御要望もあり、不定期ではありますが、ライン下りの送迎用バスを利用して、長瀞駅から宝登山神社まで、無料でシャトルバスを運行しております。

 

SLパレオエクスプレス

SLパレオエクスプレス

 今後おもてなしの取組を社内に広げていく方策などをお聞かせください。

 今回、おもてなし大賞の応募にあたって、アンケート調査やお客様からいただいたお手紙などを調べたところ、様々な御要望や御意見をいただいていることが改めてわかりました。

こうしたお客様からの声を社員みんなで共有できるようにしていきたいと思っています。社内報でお客様の声を紹介するとともに、特にお客様と接する機会が多い各駅の職員への周知については徹底していきます。