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【宮本荘グループ】

日常では味わうことの出来ない空間や体験でおもてなし
【宮本荘グループ】

[2016年9月2日]

01宮本荘① 宮本専務

埼玉県秩父郡小鹿野町の山間にある宮本荘グループの宿、「宮本家」は200年以上の歴史を持つ農家屋敷を改修した古民家旅館です。

囲炉裏や五右衛門風呂など、古き良き日本の生活を体験できることから日本国内の観光客のみならず海外の旅行客にも人気があります。

今回は、元幕内力士の宮本一輝社長さんに自身のキャリアを生かしたサービスやおもてなしの取り組みについて話を伺いました。

 

 

 宮本荘グループの特徴について教えてください。

 農家屋敷「宮本家」の旅館は宮大工仕立ての古民家で全露天風呂付き客室となっています。グループには他にも会議室や120畳の道場、野球サッカー専用グランドなどがある、西谷津温泉旅館「宮本の湯」や自然体験、農業体験が行える直営農場「秩父ふるさと村」があります。

 

 お客様へのサービスやおもてなしについて何か取り組んでいますか。

 日常では味わえない、心の贅沢を味わっていただけるよう工夫しています。本物の農家の蔵を改造したBARがあります。先祖伝来の宮本家独自の製法で造る「山の実酒」は料理の食前酒としてご提供しています。果実酒含めると50種類以上もあり、全種類を飲むことを目的の一つとして宿泊していただく方もいらっしゃいます。

また、自家製農園の採れたての野菜や、清流で育った川魚、奥秩父の鳥獣類などの地元の里山素材を囲炉裏やかまどで料理し、提供しています。
薪で沸かす五右衛門風呂のような大釜で作ったお風呂もお客様に喜んでいただいています。

歴史あるものを見ていただくこともおもてなしの一つと考えBARの2階には、宮本家に代々伝わるひな人形や屏風の品々、大相撲のも元力士の化粧まわしなどを展示し、ご覧いただいています。

宮本荘 化粧まわし 01宮本荘② 囲炉裏

 

 

01宮本荘③ そば 大学生

 ふるさと村について教えてください。

 敷地内の「ふるさと村」は体験型農場です。季節ごとの野菜の収穫や川下り、乗馬、そば打ちなどさまざまな田舎体験が出来ます。
野菜を収穫するだけでなく、その野菜でピザやカレーを作るところまで体験できるようにしています。そば打ち体験ではクルミを収穫し、そのクルミでたれ作りまでしています。

秩父地方をPRするCMに登場したことから、そば打ち体験が特に人気で、外国人のお客様も増えています。実際に来て頂いたとき参加できないということがないよう、そば打ちインストラクターは3名から7名にし、英語の説明書も作りました。体験などもニーズに合わせて変えていくことが大切と考え、受け入れ体制も整備しています。

 

 

 野外教育について教えてください。

 「宮本の湯」と「ふるさと村」では小学校やお泊り保育の野外教育を積極的に受け入れています。豊島区との契約で豊島区の小学校はすべて受け入れていますし、養護学校や特別支援学級の生徒さんもたくさん受け入れています。毎年新しいことを発見、体験してもらいたいという気持ちで新しい体験メニューを考えています。

 

 

 今後の抱負などお聞かせください。

 数年前に実家の旅館を継ぐ前は、力士として11年間、相撲界に身を置いていました。今の仕事を始めてから気が付いたのは、大相撲と旅館経営はよく似ているということです。

力士時代の私は、親方から「会場に観戦に来てくれたお客様に感動を呼び、喜ばれるような相撲を取れ」と言われました。お客様は高いお金を払って見に来て下さります。正々堂々とぶつかって真っ向勝負で闘い勝つというプロのサービスを提供してこそ、対価を払ったお客様、特にファンにご満足いただけるものだと私も理解し、そのような自分であるように精進しました。

ただ勝てば良いというものではないのです。この理念を旅館運営に当てはめると、旅館の利益を優先するだけでは、宿泊されたお客様にご満足いただけず、リピーターを獲得できないという図式になります。ファンやリピーターは、自身を支えてくれる存在であり、彼らがいなければ人気商売である力士も旅館も成り立ちません。

今後も数ある宿から選んでいただけたことに感謝して、喜んで帰ってもらえるようにしていきたいです。また先祖が残してくれた立派な建物と農園がありますので、これらを利用して宮本グループならではのサービスを提供し、お客様に喜んでもらいたいです。

これからも地域と共存共栄ができるような方策を積み重ねていき、お客様にも地域の皆さんにもファンになってもらえるような旅館づくりを目指していこうと考えています。